なぜ「外構工事」にはそんなに費用がかかるの? 基礎工事の大切さと、 プロが考える「生活に必要なもの」とは

こんにちは、創園社です。

前回の記事では「外構工事を行うきっかけ」、そして外構工事は「よりよい生活を送るために必要なもの」という点についてお伝えしました。

今回のテーマは「外構工事には、なぜ予想外の費用がかかるのか?」です。

「ガレージをつけたいけれど、できないと返答が来た。どうしてできないの?」
「外構工事は100万円くらいでできると思っていたけれど、要望を伝えたら最低400万円はかかると言われて戸惑った」
というような声はよく聞かれます。

これはいったいどういうことなのでしょうか?
今回も創園社の麻生真帆(あそう まほ)に話を聞きました。

外構工事で最も大事なのは、盛り土やスキトリなどの「土工事」

―なぜ、費用がお客さまの予想を超えてしまうことが多いんでしょうか?

ひと言で言うと、「土工事が必須だから」です。家を建てるときにも基礎工事が必要ですよね。同様に、外構工事にも「土工事」が必要なんです。

お客さまはつい、目の前のカーポート、ポスト、門扉、フェンスなどといった商品に目が行きがちですが、その土台をつくらなければ、外構工事はできません。

家は水平な場所につくりますよね。その上で、リビングなどの間取りを決めていきます。

しかし外構工事は、周りの環境やその土地の状況などに非常に左右されやすいもの。だから土工事が必須なんです。

―土工事にはどういうものがありますか?

スキトリ(不要な土を取り除く際の作業のこと)や盛り土です。

雨が降ったときに水たまりができないように、角度(勾配)を2~3%(土間コンクリートは2%以上、タイルは1%)必ず付ける必要があります。これも現状の土地の高さや道路の高さ、家の基礎の高さなどを計算して、緻密に決めていきます。

水勾配がないと水が流れないので、駐車場やアプローチ(玄関の周辺)が水溜りだらけに……ということになってしまうのは、想像できるかと思います。

その際、水道枡などの高さも「かさ上げ」といって、仕上がりの土の高さに合わせて高さの調整をします。

必要であれば移設をしたり、枡の工事前であれば、しかるべき場所に私たちから住宅の工事担当の方に指定をお願いしております。そうすることで、無駄な費用を削減することが可能になります。

隣地に土が流れないようにする土留めや、隣地境界のブロックやフェンスなどもあります。家を建てる段階で工事がこれらが終わっていない場合は、その分の費用も考えておく必要があります。

また、土留めは家の工事前に作業するほうが重機が入りやすく、安く済むことが多いです。

隣地が畑の場合は、許可をいただいて重機で入ることも可能ですが、隣地が田んぼの場合は重機が入れないため作業費が大幅にかかるなど、お客様が予想していない部分に費用がかかることもあります。

他にも「建ぺい率」という法律に関わる点があったりと、外構工事のルールはとても多いんです。

そのため実は、住宅の設計よりも難しいとも言われています。

―たしかに、まず住宅があって、周辺条件も含めて考えないといけないですもんね。

土工事は、メイクにたとえるとわかりやすいかもしれません。チークやマスカラを、カーポートやタイルデッキだと思ってみてください。

「このチーク・マスカラを使いたい!」と思っていても、化粧水や化粧下地、ファンデーションといったベースメイクをしなければ、どんなに良いチークやマスカラをつけても意味がないですよね。

―すっぴんにチークやマスカラというのはありえませんよね。ベースメイクがしっかりしていないと、見た目のバランスも悪いですし。

だからこそ、外構工事はフルオーダーメイドになるんです。

なるしかない、と言ったほうがむしろ正しいかもしれないです。周りの環境がまったく同じという家は、一軒もないはずですから。

そしてその「見えない部分」を整えるために、お客さまが考えている以上の費用がかかる、ということになるんです。

―お客さまが気づいていない部分、とも言えそうです。

そうですね。お客さまはよく「こんな風におしゃれにしたい」とイメージを持って相談にいらっしゃいますが、そもそもご希望のデザインが可能な土地の条件であるのか、施工をするためには何が必要なのかまではご存じありません。

でもこれは、お客さまが悪いわけでは、決してありません。

―ご存じないから「どうしてそんなに費用がかかるのか?」と疑問を持たれるのですね。

ですから当社では、お客さまの土地条件の特長や、活かしたほうが良いこと・補ったほうが良いことまでしっかりご説明します。

その上でお客さまの希望をお聞きし、どの商品がふさわしいか、どんな工事が必要か、また場合によっては不要かなどを、お客さまとともに取捨選択していきます。

外構工事の優先順位は、駐車場や庭の整地など、生活に必要なものから

 

―外構工事の取捨選択は、どうやって行うんでしょうか?

全体のバランスを考えて行います。カーポートひとつにしても、デザインや寸法、頑丈な基礎が必要な商品などさまざまです。

強風に強い、積雪200cmに耐えられるなどの商品自体の性能も、まず考えるべき点のひとつですね。

加えて、家の外観とのバランスを見ていきます。そこで「後方柱のデザインだとバランスがいい」となることもあれば、「3台用のカーポートではなく、2台用と1台用の2つに分けたほうがよい」とわかることもあります。

さらには、隣家との兼ね合いもあります。
カーポートの計画時に「雪や雨が落ちる方向」を考慮して設計しておかないと、隣地に落ちた場合、そこからトラブルに発展するリスクも考えられます。

外構工事によって隣地との関係が悪くならないよう、考えられるリスクはもちろん事前にお伝えした上で設計していますよ。

―カーポートひとつにしても、そんなにも考えるべき点があるんですね。

視点は外からだけではないですよ。リビングから見えるお庭の様子にしても、昼と夜ではまた違います。

暗くなってきたら、照明が自動点灯するようにご提案することも多いです。

照明の美しさだけではなく、防犯の役目もあります。

他にも、隣家の位置に目隠しとなるフェンスや植栽をご提案したり、道路の高さとリビング床の高さを確認し、道路を歩いている人と目が合わない高さを計算して外構計画をするなど、考えるべき項目はとても多いんです。

―そういうことを、打ち合わせ時にお客さまにお伝えしながら、一緒に考えていくんですね。

大事な予算。だからこそ「賢い使い方」になるように妥協なくアドバイス

外構工事には、お客さまの大事なご予算を使わせていただきます。

ご存じないことがあったとしても、こちらが知識や経験値を提供しつつ、もっとも賢い予算の使い方になるようにアドバイスしていくのが、プロの外構工事の進め方だと私は思っています。

―外構工事に土工事などの費用がかかることをご存じなくても、タイルデッキやカーポートが欲しいなどのご要望があるケースも、当然ありますよね?

もちろんです。そういう場合は、工事を複数回に分けることをご提案します。

まずは優先度が高いもの、つまり必要最低限のものから工事を行うんです。

その数年後に「お金が貯まったので、前回やっていなかったカーポートをやりたいです」と足を運んでくださるお客さまも多いですよ。

―しかしそうすると、その回数分の工事費用が必要になりますが……。

そうなりますね。しかしそれもお客さまの考えが優先ですし、提案は「無理のない資金計画」を前提に行う必要があるということです。

「その都度外構計画をするのではなく、まずはトータルでどういった外構がベストかを考え、そこから必要最低限の工事と費用対効果が高い工事から施工していき、あとでできる工事は資金が貯まってからにするのはいかがでしょうか」などとご提案すると、多くの方は納得してくださいます。

―「木を見て森を見ず」にならないようにアドバイスをしていくんですね。

もちろん私たちは、木も、葉っぱも見て考えているくらいですからね。

だからこそ相談のし甲斐があると自負しています。

ときには「今お伺いした内容だと、費用対効果が低くなるかもしれません」と提案し、不要なものを引いていくこともあります。

それもやはり、費用がどこにどうかかかるかを理解し、お客さまにとってどんなメリット・デメリットがあるかを熟知している専門家だからできることなんです。

―細かい部分を含めて俯瞰的に見て、バランスを考える。だからプロじゃないと良い外構工事はできないんですね。ありがとうございました!

PAGE TOP